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「マンションと一戸建てはどちらがいいのか」「都会と田舎はどっちが過ごしやすいのか」など、老後の住まいのことで悩んでいる人は少なくないのではないでしょうか。
せっかく老後の貴重な時間を過ごすのであれば、自分たちの目標やライフスタイルに合った家選びをしたいものです。
そのためにも、住み替えに失敗しないよう家選びをすることが重要になってきます。
そこで今回は、老後の住み替えに失敗しないための家選びのポイントやメリット・デメリット、住み替え前にやっておくべきことについて紹介しています。
この記事をご覧いただくことで、自分たちに合った家選びと後悔の少ない住み替えができるようになりますので、参考にしてください。
もくじ
老後にマンションに住むメリット・デメリット
まずは、老後にマンションに住むメリット・デメリットについて解説をしていきます。
これまで戸建てに住んでいて、これからマンションに住み替えることを検討している人は、ぜひチェックしてみてください。
老後にマンションに住むメリット
老後にマンションに住むメリットは以下の7つ。
- ・セキュリティ性が高く安心
- ・駅近など立地が良く便利
- ・地震や台風など自然災害に強い
- ・管理人がいるため共用部分を清掃する必要がない
- ・気密性が高くランニングコストを抑えられる
- ・高層階は眺望・日当たり・風通しが良い
- ・イベントなどがありコミュニティが形成しやすい
順番に説明していきます。
メリット1:セキュリティ性が高く安心
マンションのメリットの1つがセキュリティ性が高いことです。
各住戸の玄関ドアが二重ロックなのはもちろん、エントランス入口にはオートロックがあり、管理人も常駐しています。
また、エントランスやエレベーター、駐車場などに防犯カメラが設置されているケースも多いです。
最近のマンションであれば、エレベーターに乗るのにも専用の鍵が必要なため部外者が勝手にエレベーターを使うことも難しくなっています。
マンションによってはホームセキュリティに加入していることもあります。
昨今、さまざまな事件が起きているため、家のセキュリティ面を重視している人は多いです。
マンションであれば、セキュリティ性が高いため安心して生活することができます。
メリット2:駅近など立地が良く便利
マンションは「◯◯駅まで徒歩2分」など、駅近で立地が良いのがメリットです。
老後になると電車やバス、地下鉄など公共交通機関を利用して移動することが増えてきます。
最寄り駅まで徒歩20分〜30分もあるような場所であれば大変です。
マンションであれば駅近物件が多いため、どこへ行くにしてもアクセスが良いので外出する際の負担を軽減できます。
また、駅近であればスーパーやコンビニ、カフェ、飲食店、雑貨店、ドラッグストアなど、さまざまなお店・商業施設が集中していることが多いです。
食料品や日用品など、日々の生活に必要な物が徒歩圏内ですべて揃えられる利便性の良さも特徴と言えます。
便利な場所で生活をしたいのであれば、一戸建てよりもマンションがいいでしょう。
メリット3:地震や台風など自然災害に強い
マンションのメリットの1つが、地震や台風などの自然災害に強いことです。
2000年以降でもマグニチュード7以上の大地震は多数発生していますし、毎年のように台風が上陸しています。
さらに近年では、集中豪雨などの水災も大きな被害をもたらしています。
過去の自然災害の被害状況を見ても、マンションより一戸建ての方が被害が深刻なのは明らかです。
マンションは鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で、制震構造や免震構造のつくりとなっているため大地震の際も被害が少ないですし、高さがあるため水災の際も安心できます。
自然災害に強い家に住みたいのであれば、一戸建てよりもマンションの方がいいでしょう。
メリット4:管理人がいるため共用部分を清掃する必要がない
一戸建ての場合は、室内だけでなく、庭や駐車場、玄関アプローチなど、敷地内の定期的な掃除・手入れが必要です。
室内・室外を清掃するとなると2〜3時間以上かかることもありますし、腰を痛めるなど体へ大きな負担がかかります。
マンションであれば、室内やバルコニーの清掃は自分たちでする必要はありますが、共用廊下やエントランス、階段、エレベーター、庭、植木、駐車場、共用施設などの清掃・手入れはすべて管理人・管理会社が対応してくれます。
そのため、清掃に時間をかける必要がありませんし、体への負担を軽減することが可能です。時間の節約ができ、夫婦での外出や友人との交流、子や孫との時間をつくりやすくなります。
メリット5:気密性が高くランニングコストを抑えられる
マンションは気密性が高く外気に触れる部分も少ないため、1年を通して比較的過ごしやすい室温の実現が可能です。
冷暖房効率が高いため、光熱費などランニングコストを抑えることができます。
また、一戸建てよりも火災に強いこともあり、火災保険料が安いのもメリットです。
管理費や修繕積立金などはかかりますが、光熱費や火災保険料などのコスト削減が図れます。
メリット6:高層階は眺望・日当たり・風通しが良い
マンションの高層階であれば、素晴らしい眺望や日当たり、風通しが確保されるため、毎日快適な生活を送ることが可能です。
特に、近くに遮る建物がない場合は、リビング・ダイニングから毎日素敵な景色を楽しめます。
日当たりや風通しも良いため、部屋の中が明るく、湿気が溜まってじめじめするのも防げるため心地よい暮らしが可能です。
カビなどの発生も防げますし、住宅の性能も長く維持できます。
メリット7:イベントなどがありコミュニティが形成しやすい
マンションによっては定期的に住民イベントが実施されています。
餅つき大会やクリスマスパーティー、懇親会、、、など、イベントを通して仲良くなることができ、同じマンション内でコミュニティを形成することが可能です。
コミュニティを形成できれば、マンション内に仲の良い友人を何人もつくることができますので、毎日の生活が楽しくなります。
同じ物件に住んでいるからこそ、いろいろな話で盛り上がれるものです。
老後にマンションに住むデメリット
次にデメリットを紹介していきます。
老後にマンションに住むデメリットは以下の4つ。
- ・管理費や修繕積立金が毎月かかる
- ・間取りを自由に決めることができない
- ・一戸建てより狭い
- ・上下左右の生活音
順番に解説していきます。
デメリット1:管理費や修繕積立金が毎月かかる
マンションは光熱費や火災保険料などを安く抑えられるメリットがありますが、一戸建てにはないコストが発生します。
それが、管理費や修繕積立金です。
管理費は、エントランスやエレベーター、共用施設など、共用部分の維持管理に充てる費用のことで毎月支払いをします。
物件規模や状態によって金額は異なりますが、5,000円〜1万円程度は見ておきましょう。管理人の人件費などにも充てられます。
修繕積立金は、10年後や20年後などの大規模修繕へ向けて毎月積み立てをする費用のことです。
マンションの性能や資産価値を維持するために屋根や外壁、エレベーターなど、さまざまな部分の修繕をおこないます。
管理費同様、物件規模や状態によって金額は異なりますが、1万円〜2万円前後は見ておくといいでしょう。
一戸建ての場合も、自分で将来の修繕計画を立て自主的に毎月積み立てをしていく必要はありますが、マンションの場合は強制的に徴収されます。
また、車を所有している場合は、駐車場代もかかるため注意しましょう。
一戸建ての場合は無料ですが、マンションの場合は5,000円〜1万5,000円前後はかかります。
デメリット2:間取りを自由に決めることができない
注文住宅の一戸建ての場合は、自分たちの希望を反映させた間取りで家づくりをすることが可能です。
「リビング・ダイニングをかなり広くしたい」「子ども家族が来てもくつろげるように和室を広くつくりたい」「孫が来た際に走り回れるように2階に10畳以上の部屋をつくりたい」など、予算に収まる範囲内で自由に間取りを設定できます。
しかし、マンションの場合は、新築であっても業者が用意した間取りから選択することしかできません。
耐震性などを確保するために必要な壁が多いため、勝手に壁を壊すことも困難です。
間取りを自由に決めることができないため、どこか不満が残る間取りで生活をしていくことになります。
デメリット3:一戸建てより狭い
一戸建ての場合、100㎡を超える物件も非常に多いですし、同じ6畳だとしても基準が異なるためマンションよりも広めです。
マンションの場合は、4LDKだとしても80㎡〜90㎡前後が多く、100㎡を超える物件であればかなりの高額となります。
老後住むのであれば2LDKや3LDKで十分ですが、一戸建てよりも狭く感じてしまうことを理解しておきましょう。
デメリット4:上下左右の生活音
マンションは上下左右に別の住戸があるため、生活音が聞こえてくることがあります。
最近のマンションであればほとんど聞こえませんが、子どもが走り回ったりする音は響いてくるためストレスを感じる可能性があります。
また、他の住戸の迷惑にならないように日々の生活に気をつけなければなりません。
生活音が原因でトラブルになることもあるため、注意が必要です。
老後に一戸建てに住むメリット・デメリット
続いては、戸建てに住むメリット・デメリットについて紹介をしていきます。
現時点でマンションに住んでいて、住み替えを考えている人はぜひ参考にしてみてください。
老後に一戸建てに住むメリット
一戸建てのメリットは以下の6つです。
- ・上下左右の生活音を気にしなくていい
- ・管理費や修繕積立金、駐車場代がかからない
- ・間取りを自由に設定できる
- ・専用の庭がある
- ・土地の資産価値が残る
- ・マンションより広い家に住める
それぞれ解説していきます。
メリット1:上下左右の生活音を気にしなくていい
一戸建てであれば、マンションのように上下左右の生活音を気にせず生活ができます。
孫が遊びに来た際も、思い切り室内で走り回ることが可能です。
隣の家と距離が近い場合は別ですが、基本的には生活音を気にする必要はありません。
メリット2:管理費や修繕積立金、駐車場代がかからない
マンションの場合は、毎月管理費や修繕積立金、駐車場代がかかります。
住宅ローンで家を購入した場合は、ローン返済+管理費+修繕積立金+駐車場代となるため、負担が大きくなりがちです。
しかし、一戸建ての場合は、毎月管理費や修繕積立金を強制的に徴収されることはありません。
駐車場代もかからないため、車を所有している人は余計なコストをカットできます。
メリット3:間取りを自由に設定できる
新築注文住宅の場合は、自分たちのライフスタイルや要望を反映した家づくりができます。
自分たちが生活しやすいように間取りを自由に設定できますし、設備の選択も可能です。
こだわりを詰め込んだ世界に1邸だけの家で生活をすることができます。
メリット4:専用の庭がある
マンションの場合は基本的に庭がありません。
物件によっては共用部分として庭があることもありますが、入居者全員が使用します。
また、1階の部屋であれば庭付きのケースもありますが、走り回れるほど広くはありません。
一戸建ての場合は、孫が走り回れるほどの庭を持つことができます。
広い庭があれば、子ども世帯や友人・知人と一緒に、バーベキューをしたり、餅つきや流しそうめんなどをすることが可能です。
家庭菜園をつくることもできますし、DIYスペースとして使用することもできます。
交流や趣味の場として活用することが可能です。
メリット5:土地の資産価値が残る
一戸建ての場合は、築年数が経過して建物の資産価値が大幅に下落したとしても、土地の資産価値が残ります。
一般的に、建物の場合は年数が経つごとに価値がどんどん下がっていきますが、土地の価値はそう簡単に下がらないことが多いです。
20年後や30年後にも価値のある土地を残すことができます。
メリット6:マンションより広い家に住める
一戸建ての場合、マンションより広い家に住むことが可能です。
一戸建ては郊外にあるからという理由もありますが、マンションと一戸建てでは、そもそも1畳の広さが異なります。
まず、畳の基準には以下の4種類があります。
・京間・本間(191cm×95.5cm)
・中京間(182cm×91cm)
・関東間(176cm×88cm)
・団地間(170cm×85cm)
マンションの畳の基準は、最も狭い団地間です。
一戸建ては中京間であることが多いため、同じ1畳でも一戸建ての方が12cm×6cm分広いことになります。
そのため、同じ6畳の部屋でも一戸建ての方が広々とした開放感を感じることが可能です。
老後に一戸建てに住むデメリット
ここからは、老後に戸建てに住むデメリットについて紹介します。
デメリットは以下の5つ。
- ・清掃・管理が大変
- ・セキュリティ面が心配
- ・マンションより災害に弱い
- ・景色はそれほど期待できない
- ・修繕費用など計画性と実行力が求められる
順番に紹介します。
デメリット1:清掃・管理が大変
一戸建てに住むデメリットの1つが、清掃や管理が大変なことです。
室内の清掃だけでなく、駐車場の清掃や庭の手入れ、玄関アプローチの清掃など、敷地内の清掃・管理もしなければなりません。
室内の清掃だけでも大変なのに、これらの清掃・管理もおこなうとなると、大変な労力がかかります。
早くても2〜3時間はかかりますし、体力的にも相当しんどいです。
マンションであれば室内の清掃だけで済みますが、一戸建てであれば室外についてもすべて自分たちで清掃・管理しなければならず大変です。
デメリット2:セキュリティ面が心配
一戸建てはマンションに比べるとセキュリティ面がやや心配です。
マンションであればエントランスのオートロックやエレベーターキー、玄関ドアの二重ロック、敷地内の防犯カメラなどが採用されているためセキュリティ性が高く安心できます。
また、高層階に関しては外から侵入される可能性も低いです。
しかし一戸建ての場合は、オートロックもなければ防犯カメラもありません。
二階から侵入される可能性もあるなど、マンションに比べるとセキュリティ性が劣ってしまいます。
デメリット3:マンションより災害に弱い
一戸建ては、マンションより災害に弱いのもデメリットの1つです。
過去の地震や台風、豪雨などの災害を見ても、マンションよりも一戸建ての方が被害が大きいです。また、火災が発生した際に、その地域一帯に延焼して大きな被害が出たこともあります。
耐震性や耐火性、耐久性など、マンションよりも劣ることを理解しておく必要があります。
デメリット4:景色はそれほど期待できない
一戸建ては多くが2階建てです。
周りには同じくらいの高さの住宅がたくさんあるため、景色はそれほど期待できません。
マンションは、低層階や周囲に建物があるケース以外は、見晴らしの良い景色が期待できます。
一戸建ての場合、よほど立地や周囲環境に恵まれていない限り、見晴らしの良い景色を楽しむことはできません。
デメリット5:修繕費用など計画性と実行力が求められる
マンションの場合は、長期修繕計画をもとに毎月修繕積立金を積み立てしていきます。
強制的に徴収されますが、あくまでも将来おこなわれる大規模修繕のためで、物件の資産価値や安心・安全を維持するためです。
一戸建ての場合、毎月支払う修繕積立金はありませんが、修繕費用が必要ないということではありません。
将来実施する外壁や屋根などの修繕のために、資金計画を立て、自主的に毎月積み立てをしていく必要があります。
計画的に資金を貯めていかないと、いざ修繕をおこなう際にまとまったお金を用意できず困ってしまいます。
マンションのように強制的に徴収されるわけではない分、計画性と実行力が求められるのです。
平屋という選択もアリ
老後の住宅の選択肢は、マンションと一戸建て(2階建て)だけではありません。
老後であれば、平屋という選択肢もおすすめです。
平屋であれば、2階建てにはない以下のようなメリットがあります。
- ・コミュニケーションが取りやすい
- ・階段がないため老後でも安心
- ・清掃や管理、メンテナンスがしやすい
- ・構造的に安定しやすく災害に強い
このようなメリットがあるため、安心・快適に暮らすことが可能です。
ただし、広い土地が必要になったり、周辺環境によっては日当たりが悪い、セキュリティ面が不安などのデメリットもあります。
老後であれば、平屋もおすすめですので検討候補に入れてみるといいでしょう。
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老後に賃貸に住み替えるメリット・デメリット
老後の住まい選びは、マンションか一戸建てにするかの検討だけではありません。
賃貸にするか持ち家にするかも大事な検討ポイントです。
それぞれのメリット・デメリットについて紹介していますので、住まい選びの参考にしてください。
老後に賃貸に住むメリット
まずは、賃貸に住む主なメリットについて見ていきましょう。
賃貸のメリットは以下の5つです。
- ・ローンを組まなくていい
- ・ライフスタイルや住環境などに応じて引越しができる
- ・隣人トラブルが起きても引越しができる
- ・メンテナンスやリフォーム費用が必要ない
- ・固定資産税や都市計画税などの支払いがない
それぞれ紹介します。
メリット1:ローンを組まなくていい
賃貸に住むメリットの1つが、住宅ローンを利用しなくていいことです。
住宅ローンは一般的に35年返済となり、毎月ローンの返済を続けていく必要があります。
住宅を担保としてお金を借りるため、もし返済が滞った場合は家を手放すことになりますし、破綻リスクもあります。
ケガや病気で休職したり、転職などで収入が減る可能性もあるため、35年ものローンを組むことは計画性と大きな覚悟が必要です。
また、賃貸の家賃であれば、住宅ローンのように利息がかかることもありません。
仮に3,000万円を35年返済、元利均等、固定金利1.5%で借りた場合は、総返済額が3,857万9,007円となり、約850万円もの利息がつくことになります。
メリット2:ライフスタイルや住環境などに応じて引越しができる
「子どもが産まれて家族が増えた」「仕事が転勤になった」「もっと利便性が良いところで生活をしたい」など、賃貸であれば、家族構成やライフスタイル、住環境などの変化に応じて気軽に引越しをすることができます。
持ち家であれば引越しを検討することはなかなか難しいですが、賃貸であれば検討しやすいです。
メリット3:隣人トラブルが起きても引越しができる
隣人トラブルから事件に発展し、ニュースになることも少なくありません。
多くの人が、住まいを決める際、どのような隣人が住んでいるのかを気にします。
所謂クレーマーや問題を起こす人が近隣に住んでいたら、毎日の生活が大変です。
こればかりは事前に知ることが難しく、住んでみないとわかりません。
賃貸であれば、仮に隣人トラブルが起きた場合でも、すぐに引越しをすることが可能です。
しかし、持ち家の場合は隣人トラブルが起きても簡単に引越しをすることはできません。
メリット4:メンテナンスやリフォーム費用が必要ない
持ち家の場合は、外壁や屋根、床や壁、天井、水回りなど、さまざまな部分の定期的なメンテナンスやリフォームが必要になります。
長く安心・安全が続き、快適に暮らすためにはメンテナンスやリフォームは不可欠です。しかし、メンテナンスやリフォームには、数百万円単位のまとまったお金がかかります。
賃貸であれば、入居者とは別にオーナーがいるため、メンテナンスやリフォーム費用はオーナーが支払います。
引越しの際に修繕費用はかかりますが、金額は数万円程度が一般的です。
メンテナンスやリフォーム費用が必要ないため、住宅にかかるコストを抑えることができます。
メリット5:固定資産税や都市計画税などの支払いがない
持ち家であれば、毎年固定資産税や都市計画税を支払う必要がありますが、賃貸住宅であれば、これらの税金が課税されることはありません。
固定資産税や都市計画税は物件のオーナーが支払いをしますので、入居者の負担は家賃と契約更新料のみです。
老後に賃貸に住むデメリット
続いて、デメリットを紹介しましょう!
賃貸のデメリットは以下の6つ。
- ・賃貸に住んでいる限り家賃の支払いが続く
- ・希望の間取りや仕様にリフォームできない
- ・壁に釘を打つこともできない
- ・年金など収入が低くなると借りるのが難しい
- ・契約更新料がかかる
- ・防音性が低く生活音が聞こえやすい物件も多い
順番に解説していきます。
デメリット1:賃貸に住んでいる限り家賃の支払いが続く
賃貸に住むデメリットの1つが、賃貸に住んでいる限り一生家賃の支払いが続くことです。
持ち家であれば住宅ローンを完済した時点で、直接的な住居費を支払う必要がなくなります。
必要な費用は、将来に向けた修繕・リフォーム費用の積み立てや税金ぐらいです。
賃貸であれば一生家賃支払いが続くため、トータルで60年〜70年間払い続ける可能性もあります。
一般的に住宅ローンは35年なので、2倍近い期間も支払うことになるのです。
老後になり現役時代より収入が減ったとしても家賃の支払いは続きますし、万が一、旦那さんが他界した後は、奥さんが家族で住む家の家賃を払い続けなければなりません。
長生きをして賃貸生活が長くなるほど、トータルの住宅コストは膨らんでいきます。
デメリット2:希望の間取りや仕様にリフォームできない
持ち家であれば、家族の要望やライフスタイルを反映させた間取りや仕様の家づくりが可能です。
しかし、賃貸の場合は入居前に間取りを変更することもできませんし、入居中にフローリングや壁、設備などをリフォームすることもできません。
仮に間取り変更やリフォームをする際は、内容を決めるのは入居者ではなくオーナーです。
あくまでも賃貸は人から借りて住んでいる家なので、自分たちの要望やライフスタイルを反映させることはできません。
そのため、間取りや設備などに不満が残ることも多いです。
デメリット3:壁に釘を打つこともできない
賃貸であれば、壁に釘一つ打つこともできません。
そのため、ポスターやカレンダー、収納や絵画などを壁につけることも難しくなります。
持ち家であれば、好きなだけ釘を打つことができるため、趣味のものや子どもの作品などを壁に飾ることが可能です。
賃貸であれば板を用意するなど、別の方法を考えなくてはなりません。
デメリット4:年金など収入が低くなると借りるのが難しい
若いうちや安定した収入を得ている仕事に就いているうちはいいですが、高齢なうえに収入が低くなると新しく賃貸を借りることが難しくなります。
不動産会社としては年金だけだと低収入ですし、万が一、物件で他界するようなことがあれば資産価値が下がるため、高齢者を敬遠しがちです。
そのため、老後で引越しをする際は、希望の物件に住めない可能性があります。
デメリット5:契約更新料がかかる
賃貸に住む場合、家賃以外に契約更新料の支払いが発生します。
地域や物件によって更新料の相場は異なりますが、毎年家賃1ヶ月分程度かかるケースもあれば、2年に1回家賃2ヶ月分程度かかることもあります。
ある程度まとまった金額となるため、毎月の家賃とは別にコストとして考え準備しておく必要があります。
デメリット6:防音性が低く生活音が聞こえやすい物件も多い
物件にもよりますが、賃貸の場合、分譲マンションや一戸建てよりも防音性が低いことがあります。
そのため、上下左右の生活音が聞こえやすく、場合によってはトラブルに発展する可能性があります。
特に、小さい子どもがいるファミリー層にとっては、大きなデメリットになる可能性があるため注意が必要です。
老後に持ち家に住むメリット・デメリット
賃貸のメリット・デメリットを把握した後は、持ち家のメリット・デメリットも見ていきましょう。
賃貸にはない持ち家ならではの特徴を把握でき、より具体的に比較ができるようになります。
老後に持ち家に住むメリット
持ち家のメリットは以下の6つです。
- ・希望通りの間取り・仕様にできる
- ・リフォームや増改築が可能
- ・住宅ローンを完済した後は負担が軽い
- ・自分の資産のためにお金を払う
- ・住宅ローンに団体信用生命保険が付帯している
- ・賃貸よりも住宅の性能が高い
順番に紹介していきます。
メリット1:希望通りの間取り・仕様にできる
持ち家のメリットの1つが、自分たちの希望通りの間取り・仕様にできることです。
新築注文住宅であれば、住む人の要望を反映させた家づくりができます。
広めの子ども部屋や収納スペースの充実、アイランドキッチン、床暖房、シアタールーム、カフェ風デザインなど、家族構成やライフスタイルなどに合った空間を実現可能です。
家族が希望する間取りや仕様を採用できるため、心地よく暮らせる住宅に住むことができます。
メリット2:リフォームや増改築が可能
持ち家であれば、住んでいる途中で家族構成やライフスタイルの変化に合わせてリフォームや増改築が可能です。
「子どもが1人暮らしを始めたので子ども部屋が必要なくなった」「毎日を快適に暮らせるようにバリアフリー物件にしたい」「孫が遊びに来やすいようにリビング・ダイニングを広くしたい」など、さまざまなリフォーム・増改築ができ、より暮らしやすい住まいを実現できます。
賃貸であれば、間取りや仕様に不満がある際は引越しをするしか解決方法がありませんが、持ち家であればリフォーム・増改築で対応ができるため、お気に入りの立地で生活し続けることが可能です。
メリット3:住宅ローンを完済した後は負担が軽い
賃貸の場合は、一生家賃の支払いが続きますが、持ち家の場合は住宅ローンを完済した後は負担が軽くなります。
一般的に住宅ローンの期間は35年ですが、繰上返済等を活用すれば、20年〜30年前後で返済を終えることも可能です。
完済した後は修繕費用や税金だけの支払いとなるため、住宅関連のコストを抑えることができます。
賃貸のように一生払い続けるのではなく、払い続ける期間に期限があるのが持ち家のメリットです。
メリット4:自分の資産のためにお金を払う
賃貸の場合、毎月支払う家賃はすべてオーナーの収入となります。自分の資産のために払うお金は1円もありません。
しかし持ち家の場合は、基本的に支払うお金は自分の資産(家、土地)のためです。
賃貸のように他人の資産(オーナーの家賃収入)のために支払うことはありません。
自分・家族の資産のためにお金を払うので、支払い甲斐があります。
メリット5:住宅ローンに団体信用生命保険が付帯している
持ち家の場合、多くの人が住宅ローンを利用します。
住宅ローンには団体信用生命保険が付帯しているため、契約者に万が一のことがあった場合は、生命保険代わりにもなり安心です。
団体信用生命保険に加入していることで、ローン契約差が死亡・高度障害状態になった場合は、ローン残高が保険金で支払われます。
そのため、契約者死亡後にローンのない住まいを家族に残すことが可能です。
金融機関によっては、がんや急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎の8大疾病に対応した団体信用生命保険付きの住宅ローンを提供しています。
賃貸の場合は万が一のことがあっても補償がありませんが、持ち家の場合であれば安心です。
メリット6:賃貸よりも住宅の性能が高い
賃貸住宅よりも、分譲マンションや一戸建てなど持ち家の方が住宅性能は高いケースが多いです。
物件にもよりますが、賃貸住宅の場合は防音性が低く生活音が気になることもあります。
しかし、分譲マンションや一戸建てであれば防音性をはじめとした、各性能が高いです。
つまり、住みやすいということですね。
このように持ち家の快適性は大きなメリットとなります。
老後に持ち家に住むデメリット
一方で、デメリットもあります。
持ち家のデメリットは以下4つ。
- ・定期的なメンテナンスが必要
- ・気軽に引越しができない
- ・税金の支払いが必要
- ・立地や物件によっては売却や賃貸が難しい
順番に紹介していきます。
デメリット1:定期的なメンテナンスが必要
持ち家の場合、外壁や屋根、土台・基礎など、さまざまな部分を定期的にメンテナンスする必要があります。
定期的にメンテナンス・修繕をおこなうことで、長く安心・安全・快適に暮らすことが可能です。
メンテナンス・修繕をおこなうと相応の費用がかかります。
賃貸の場合はオーナーがメンテナンスの対応をするため、入居者が直接的にメンテナンス・修繕費用を負担する必要はありません。
デメリット2:気軽に引越しができない
賃貸の場合は、ちょっとした理由でも気軽に引越しをすることができます。
しかし、持ち家の場合は簡単に引越しすることができません。
引越しをした場合は、住宅ローン+引越し先の住居費がかかるため、負担が非常に大きいです。
賃貸に出したとしても、すぐに借り手が見つかるとは限りません。
近隣トラブルなど、嫌なことが起きたとしても簡単に引越しできないのが持ち家です。
デメリット3:税金の支払いが必要
賃貸であれば税金はオーナーが支払うため入居者に負担がかかりませんが、持ち家になると毎年固定資産税や都市計画税の支払いが発生します。
住宅ローンとは別にかかり、負担が大きくなります。
デメリット4:立地や物件によっては売却や賃貸が難しい
「何かあれば売却や賃貸に出せる」という理由で持ち家を選ぶ人もいますが、そう簡単に賃貸や売却が決まるわけではありません。
借り手・買い手がつくかどうかは、立地や物件状況によって変わってきます。
特に立地が悪い場合は、借り手・買い手はなかなか見つかりにくいものです。
借り手・買い手が見つかるまでは、新しい住宅の費用と現在の住宅ローンがダブルで負担となってしまいます。
他にも色々ある家選びポイント
家選びのポイントには、新築や中古、都会や田舎などもあります。
どちらのポイントを選ぶかで家の特徴や生活の仕方が変わってくるため、自分たちの考え方やライフスタイルに合った選び方をすることが大切です。
それぞれのポイントの特徴や主なメリット・デメリットについて見ていきましょう。
新築or中古
新築または中古のどちらを選ぶかも1つのポイントです。
新築は以下のようなメリットがあります。
- ・誰も住んでいないため新鮮
- ・最新の設備が搭載されている
- ・すぐにはメンテナンス費用やリフォーム費用がかからない
- ・間取りや設備を選択できる
新築の魅力は、最新設備を搭載した誰も住んだことがない家に住めることです。
分譲マンションであれば販売業者が用意した間取りプランから選択できますし、注文住宅であれば希望通りの家づくりもできます。
しかし、価格が高く場所が限られたり、実物を確認できないなどのデメリットもあるため注意が必要です。
一方で中古のメリットは以下のとおりです。
- ・価格が安い
- ・実物を確認したうえで判断できる
- ・好立地物件も見つけやすい
状態にもよりますが、新築相場の半額程度の価格で購入可能なのが魅力です。
さらに、広さや状態、日当たりや風通しなど実物を確認したうえで判断することができます。
たくさんの中古物件が出ているため、新築よりも好立地の物件が見つかりやすいのも魅力です。
しかし、早いタイミングでメンテナンスやリフォームが必要になったり、仲介手数料などで買うときの諸費用が高くなるなどのデメリットがあります。
都会or田舎
都会か田舎という点で家選びをすることも可能です。
都会の住まいの場合は以下のようなメリットがあります。
- ・駅やバス停が近い
- ・スーパーや商業施設が近い
- ・資産価値が落ちにくい
- ・賃貸や売却がしやすい
都会の家は、利便性が高いのが特徴です。
特にマンションであれば、駅近に住めるため、どこへ行くにしても交通アクセスが良く便利に生活できます。
スーパーやコンビニ、飲食店、商業施設も近いため、日常の買い物で困ることがさほどありません。
人が集まる場所に住めるため、資産価値が下落しづらく、借り手や買い手も見つかりやすいです。
しかし、価格が高く部屋が狭い、目の前の建物で日当たりや風通しなどが遮られるなどのデメリットもあります。
また、人通りや交通量が多い道路が近く騒音が気になるケースもあります。
一方で、田舎の家のメリットは以下のとおりです。
- ・自然が多い
- ・価格が安く部屋が広い
- ・生活費が安い
- ・地域コミュニティが形成されていることが多い
田舎の家の良いところは、周りに建物が少なく自然が豊かなことです。
また、都会に比べて価格が安く同じ予算でも広い家を持つことができます。
物価が安いため生活費を抑えることが可能です。
しかし、駅や商業施設、スーパーなど、どこへ行くにしても時間がかかりますし、資産価値が下落しやすいなどのデメリットがあります。
老後の住み替えを考え始めたらまずやること5つ
ここでは、老後の住み替えを検討し始めた場合にやるべきこと5つについて見ていきましょう。
- 希望の住まいを決める
- 荷物を整理する
- 資金計画を立てる
- 現在の住まいをどうするか決める
- 住まいのハウスクリーニング
やるべきことを確認しておくことで、住み替えをスムーズに進めていけますし、後悔や失敗のリスクを軽減することが可能です。
1.希望の住まいを決める
老後の住み替えを考え始めたら、どのような物件に住むのか具体的に決めていきましょう。
これまで紹介したように、マンションor一戸建て、持ち家or賃貸、新築or中古、都会or田舎など、いくつもの家選びのポイントがあります。
どのような家に住むかによって、業者選びやスケジュール、住み替え後の生活、資金計画などがすべて変わってくるため重要です。
また、最後の住み替えになる可能性があるため、しっかりと夫婦・家族で話し合い、自分たちに合った家選びをするようにしましょう。
2.荷物を整理する
住み替えをする際、新しい家に持っていく荷物は極力少なくしましょう。その方が、快適な生活を送ることができます。
住み替えは必要でないものを処分する絶好の機会になりますので、必要なもの・そうでないものを分け、どんどん断捨離をおこなっていきましょう。
万が一の場合も考えなければならないため、残された人に迷惑がかからないように、荷物を整理するようにしてください。
3.資金計画を立てる
住み替えを考え始めたら、資金計画を立てるようにしましょう。
立てる資金計画は、住み替えをする物件について、そして老後資金についてです。
持ち家でも賃貸でも住み替えをする際には、まとまったお金が必要になります。
そのため、綿密に資金計画を立て、無理のない範囲で住み替えを実行することが大切です。
住み替えによって老後資金に余裕がなくなっては意味がありません。
今後の収入や貯蓄、金融資産などを確認し、住み替え後に安心して生活が送れるかシミュレーションをしてください。
4.現在の住まいをどうするか決める
住み替えを考え始めたら、現在の住まいをどうするか決めましょう。
現在の住まいが賃貸であれば引越しをするだけでいいですが、持ち家の場合は賃貸か売却の大きく2つです。
どちらで進めるかによって今後の流れも変わってきますし、借り手や買い手が見つかる見込みがないと安心して住み替えをすることができません。
不動産業者にも相談をして方向性をきめましょう。
5.住まいのハウスクリーニング
現在持ち家に住んでいる場合は、住み替えの前にハウスクリーニングを済ませておきましょう。
数十年と住んでいる家であれば、普通の掃除では取れない汚れやにおいがついているものです。
清掃のプロに任せることで、これらの汚れやにおいを取り除いてくれます。
ハウスクリーニングを済ませることで、賃貸や売却にも出しやすくなりますし、それほど高いコストはかかりません。
きちんと考えておきたい老後の資金計画
老後のお金についてもしっかりと考えたうえで住み替えをおこないましょう。
年金収入はいくらあって貯蓄はどれくらいあるのか。
また、現在の家の住宅ローンの残債がどれくらいあり、住み替え先の購入資金の目処はついているのか。
あくまでも老後資金は確保したうえで、住み替えについて検討しなければなりません。
ただし、持ち家の場合は、不動産を担保としてお金を借りるリバースモーゲージなどの制度があるため、老後資金に不安があってもお金を受け取ることができます。
リバースモーゲージは契約者死亡後に不動産を売却して元本を返済するため、生きている間は利息のみの返済で済みます。
推定相続人の同意を得る必要がありますし、年齢などの条件が設けられていますが、持ち家を有効活用できる制度です。
持ち家で老後資金に不安がある場合は、リバースモーゲージを検討してみてもいいでしょう。
今住んでいる家は賃貸に出す?それとも売却?
現在、持ち家に住んでいる場合は、賃貸と売却どちらに出すか決めなくてはなりません。
賃貸に出して家賃収入を得ていくのもいいですし、売却をしてまとまったお金を手にしてもいいでしょう。
住宅や土地を子どもたちに相続する予定があるのであれば賃貸ですが、ない場合は売却をおすすめします。
相続の予定がないのに賃貸に出しても、万が一のことが起きた際に不動産が残ってしまいもったいありません。
売却をして住み替え費用や老後資金に充てた方が、充実した生活を送れるはずです。
家を売却するのにベストなタイミングは?
家を売却した後に住み替え先を決めて引越しをするのと、売却をする前に住み替え先に引越しをする方法があります。
住み替え費用や老後資金に余裕がある場合は、売却前に住み替え先に引越しをする流れでいいですが、さほど余裕がない場合は住み替え前に売却をするようにしましょう。
売却には時間がかかることも考えられるため、しっかりとまとまったお金を手にしたうえで行動した方がリスクは低いです。
【番外編】独身女性の老後の住まいはどうする?
独身女性の場合、老後の住まいは賃貸マンションか分譲マンションがおすすめです。
一戸建てでは広すぎて清掃や手入れが大変ですし、マンションであれば利便性の高いところで生活することができます。
コンパクトで住居費も安い1LDK〜2LDKの間取りがいいでしょう。
仮に結婚したとしても、利便性の良い場所のマンションであれば手放すことができますし、そのまま一緒に生活することもできます。
まとめ
今回は、住み替えに失敗しないための家選びのポイントやメリット・デメリット、住み替え前にやっておくべきことなどについて紹介いたしました。
住み替えの家選びのポイントは多数ありますが、自分たちの希望やライフスタイルに合っていることが大事です。
資金計画をしっかりと立てたうえで住み替えを進めていくようにしましょう。
現在、老後の住み替えを考えている方は、ぜひここで紹介した内容を参考にして、計画を立てるようにしてください。
参考:
LIFULL HOME’S「老後の暮らしはどっちがいい?「一戸建てVSマンション」50代の住み替え事情」
LIFULL HOME’S「一生賃貸?それとも購入して持ち家?それぞれのメリット・デメリットを考えてみる」